当会の設立に至った経緯
女性クライマーが当会を運営しています。女性クライマーということで、ビギナー男性諸氏に大変人気です。
ビギナーの立場に立ちますと…、多くが男性であることが多いのですが…、
「女性にできる登攀であれば、自分にもできるのではないか?」
という気持ち…、これならできそう!という希望を持つ…、になることが多いようです。
しかしながら、登攀においては、初心者1名に対し、2名の経験者の監視、が必要です。
そうでなくては、ビレイを習得していない初心者のビレイに命を預けてクライマーは、登らなくてはならなくなります(えっ?それってアタクシ?!)。
そのような危険なことは誰もできません。すべきでもありません。
したがって、クライミングに興味を持ったビギナー君にとって、次の段階は、”ビレイの習得”です。
■ 現代的事情
これが難しいです。
従来の手段では、山岳会へ、ということになりますが、昨今、人材輩出型だった山岳会でも登攀を活動の主体としないところが多くなり、期待のようにビレイを習得することが難しいためです。
当会では、このような事情を鑑み、ビレイ習得以前の初心者には、トップロープのみということで妥協を採用しています。
ビレイの習得には、早い方で半年から、通常1年、遅い方で5年程度は、かかりますので、習得のために、スポーツクライミング教室(竜岩がお勧めです)への参加をお勧めしています。まずは、クライミングに定期的に触れる必要があります。
習得ののち、トップロープから、人工壁でのリードのビレイ、外岩でのリードのビレイへ、と進むのが通例です。
当会に来られた方は、同時並行で外岩に通うことで、外の岩場での安全管理やロープワークに慣れることが期待できます。一例としては、人工壁では落石はありませんが、外岩ではあります。人工壁では、結び変えも、通し八の字も、不要ですが、外岩では必修です。
現代では、古くから存在する山岳会は、人材輩出型の山岳会であっても、高齢化のため、ハイキング主体の会へ変遷中であることが多いです。
山が嵩じ、登攀へ進みたい!と思った初心者の受け皿としては、うまく機能できない実態が背景にあり、これを鑑みて、初心者に好意的な判断をしています。これは私自身がその苦労をしたためです。
山岳会で教えてもらえないから…と、ガイド登山(ガイド主催のクライミング講習会等)に行くと、もっと登攀の守りの技術は、身につきません。ガイドさんは連れては行きますが、技術を伝達しません。支点技術なども同様です。
それなら、と、登山学校へ行くという選択肢は、どうかと言いますと、確かに技術は教えられるのですが、”分かる”と”できる”は違い、分かったことをできるようにするまでにも、仲間が必要です。
懸垂下降を一回教わっただけで、懸垂下降ができるようになる、ということは、あまり現実的ではありません。
登攀は、基本的に2名一組で行うものですが、一回教わっただけの初心者2名だけで外岩に行く、ということも安全面から難しく、現実的にはお勧めすることはできません。
そこを埋めるのが当会です。
ということで、当会では、ある程度、独学で勉強してきた方が、経験者の監視の下で、”分かることをできることに変換したい!”というニーズに答えようとするものです。
したがって、2名の初心者ペアでの同時参加をとくに歓迎します。
もちろん、1名でも歓迎しますが、その場合、ご自身の技術習得の復習をするために、常にザイルパートナーを求めてください。
早良区に、偶然ではありますが、たまたま2名のクライマーが在住していますので、地理的都合上、福岡市近郊の岩場がゲレンデということで、ゲレンデでの平素の練習をご一緒することを目的としています。
山岳会、ガイド、登山学校の3者において、提供されていないサービスの穴を無償で提供する社会貢献の一環、ということです。
■ 初心者向けですので、ギリギリには迫りません
登攀は、死のリスクを伴う危険な遊びです。
登攀をスタートして1~3年目程度の初心者時代が、もっとも死亡事故を含む事故が多い時期です。私も、何名か墜落して脊椎を損傷した人を知っています。
そのような初心時代をベテラン経験者の下で安全に過ごし、登攀スキルを高め、自立をみずから獲得していくと同時に、ベテランから技術を盗む機会を得ることを目的にする、クライマー諸氏の参加を歓迎します。
■ 途絶えつつある技術伝承
現代では、ベテランからの技術継承は途絶えており、そのために登攀での事故が絶えない、という事情があります。
例えば、伸びきったリングボルトしかない場合に、どのようにして支点をとれば安全性がより高まるか?という知恵などです。
途絶えつつある技術を次世代へつないでいくことも、当会の目的の一つとします。
■ 本チャンへ至る道を用意します
本チャンというのは、大変汚い言葉で残念ですが、現在、山の世界で通用する言葉は、これしかないので、便宜上、使います。(女性の方には、すみません)
当会が平日に行くような外岩、通称ゲレンデは、”練習”という位置づけであり、アルパインクライミングにおいては、山岳エリアでのマルチピッチが、”本番”、試合みたいなもの、に値します。事例としては、前穂北尾根が適しているでしょう。
平素のゲレンデ練習において、マルチピッチへの憧れを温め、将来、ご自分でリードクライミングで登る山の準備をする。ゲレンデは、平素の練習、という位置づけです。
山は危険なところです。危険を認知していても、危険ですが、認知していなければ、さらに危険になってしまいます。
そのような山において、エアコンと地下鉄に飼いならされた現代人が、リスク感性を高めるには、”ゲレンデ練習での経験量の蓄積”が欠かせません。天候悪化、外気温、岩の状態、岩の質、自分の体調管理、岩場で学ぶべきことは多くあります。
当会は、ゲレンデ練習を主体としていますので、山岳地帯での本チャンに進みたい方は、当会で登攀技術を習得されると同時に、山岳会にも並行して入会されることをお勧めします。
夏山の気象、読図、ルートファインディング、生活技術、冬山、などの山の総合力を同時並行で磨かれる必要があります。当会では、その領域には踏み込みません。
しかしながら、平素の練習でスキルアップした場合に、すでに知識がある者同士で行く本チャンを否定するものではありませんので、当会でもマルチピッチ志向の方は歓迎します。
最初は、誰でも初心者ですので、あくまで、アプローチ至便、山の総合力が、ほとんど必要のない、近郊の小さな山でのマルチピッチが射程範囲となります。ご了承ください。
技術習得以前に一度、本チャンを経験してみたい方、経験してから岩登りをするかどうかを決めたい!という方には、経験豊富な登攀ガイドをご紹介いたします。
当会では、小粒でも技術内容は、本格的な山岳地帯での登攀で使うものと同じであることを志向していますので、日本の大きな山である、北ア、南ア、中ア、などへと、ぜひステップアップして行ってください。
日本国内にとどまらず、ヨセミテ、韓国、台湾などの世界の岩場、あるいは、標高の高いヒマラヤ、パキスタン、アラスカ、パタゴニアなどの岩場へとステップアップされていく土台を作ることができます。そのための、基礎練習、ゲレンデ練習、という位置づけです。
本格的なアルパインクライミングへ進むのために必要なスキルは、
・読図
・体力
・ルートファインディング
・支点構築
・ビレイ
・登攀
・積雪期の知識
・山の総合力
目安は、男性20代の方は、最低限が5.12が登れる登攀力と歩荷力40kg、甲斐駒などの標高差2200m程度の山が8時間程度(コースタイムの5~6割)で、登って降りてこれること、です。
その他の年齢層の方は、当人の志向によります。年齢をいっていても、トレーニングで体力や登攀力を高めれば、それだけ行ける山の選択肢が増えます。しかし、そこには意志が必要ですし、それ以外に時間や原資も必要です。
現実的なところで、どんなにトレーニングを積んだとしても、今ある力で登れる山に登る、ということになります。
山で死にたい人はいない、という前提に立つと、安全のマージンが必要だからです。
当会では、安全マージンを取らない、つまり”ギリギリの山”は、志向しておりません(というか、志向できません)ので、そのような山を志向される方には、適した会や仲間をご紹介いたします。
このうち、積雪期の登攀と山の総合力については、山岳会という仕組みに譲ることとし、それらを志向される方は、少なくとも、標高5000m~6000mの山の経験値がある会への入会をお勧めします。
現代の最先端の登攀は、スーパーアルパインクライミングと呼ばれ、この標高での積雪期のマルチピッチ登攀を意味するからです。
もちろん、このような大志を抱いていない方、健康のためにクライミングをしたい、単純にクライミングに興味がある、という方の参加も歓迎します。
ビギナーの立場に立ちますと…、多くが男性であることが多いのですが…、
「女性にできる登攀であれば、自分にもできるのではないか?」
という気持ち…、これならできそう!という希望を持つ…、になることが多いようです。
しかしながら、登攀においては、初心者1名に対し、2名の経験者の監視、が必要です。
そうでなくては、ビレイを習得していない初心者のビレイに命を預けてクライマーは、登らなくてはならなくなります(えっ?それってアタクシ?!)。
そのような危険なことは誰もできません。すべきでもありません。
したがって、クライミングに興味を持ったビギナー君にとって、次の段階は、”ビレイの習得”です。
■ 現代的事情
これが難しいです。
従来の手段では、山岳会へ、ということになりますが、昨今、人材輩出型だった山岳会でも登攀を活動の主体としないところが多くなり、期待のようにビレイを習得することが難しいためです。
当会では、このような事情を鑑み、ビレイ習得以前の初心者には、トップロープのみということで妥協を採用しています。
ビレイの習得には、早い方で半年から、通常1年、遅い方で5年程度は、かかりますので、習得のために、スポーツクライミング教室(竜岩がお勧めです)への参加をお勧めしています。まずは、クライミングに定期的に触れる必要があります。
習得ののち、トップロープから、人工壁でのリードのビレイ、外岩でのリードのビレイへ、と進むのが通例です。
当会に来られた方は、同時並行で外岩に通うことで、外の岩場での安全管理やロープワークに慣れることが期待できます。一例としては、人工壁では落石はありませんが、外岩ではあります。人工壁では、結び変えも、通し八の字も、不要ですが、外岩では必修です。
現代では、古くから存在する山岳会は、人材輩出型の山岳会であっても、高齢化のため、ハイキング主体の会へ変遷中であることが多いです。
山が嵩じ、登攀へ進みたい!と思った初心者の受け皿としては、うまく機能できない実態が背景にあり、これを鑑みて、初心者に好意的な判断をしています。これは私自身がその苦労をしたためです。
山岳会で教えてもらえないから…と、ガイド登山(ガイド主催のクライミング講習会等)に行くと、もっと登攀の守りの技術は、身につきません。ガイドさんは連れては行きますが、技術を伝達しません。支点技術なども同様です。
それなら、と、登山学校へ行くという選択肢は、どうかと言いますと、確かに技術は教えられるのですが、”分かる”と”できる”は違い、分かったことをできるようにするまでにも、仲間が必要です。
懸垂下降を一回教わっただけで、懸垂下降ができるようになる、ということは、あまり現実的ではありません。
登攀は、基本的に2名一組で行うものですが、一回教わっただけの初心者2名だけで外岩に行く、ということも安全面から難しく、現実的にはお勧めすることはできません。
そこを埋めるのが当会です。
ということで、当会では、ある程度、独学で勉強してきた方が、経験者の監視の下で、”分かることをできることに変換したい!”というニーズに答えようとするものです。
したがって、2名の初心者ペアでの同時参加をとくに歓迎します。
もちろん、1名でも歓迎しますが、その場合、ご自身の技術習得の復習をするために、常にザイルパートナーを求めてください。
早良区に、偶然ではありますが、たまたま2名のクライマーが在住していますので、地理的都合上、福岡市近郊の岩場がゲレンデということで、ゲレンデでの平素の練習をご一緒することを目的としています。
山岳会、ガイド、登山学校の3者において、提供されていないサービスの穴を無償で提供する社会貢献の一環、ということです。
■ 初心者向けですので、ギリギリには迫りません
登攀は、死のリスクを伴う危険な遊びです。
登攀をスタートして1~3年目程度の初心者時代が、もっとも死亡事故を含む事故が多い時期です。私も、何名か墜落して脊椎を損傷した人を知っています。
そのような初心時代をベテラン経験者の下で安全に過ごし、登攀スキルを高め、自立をみずから獲得していくと同時に、ベテランから技術を盗む機会を得ることを目的にする、クライマー諸氏の参加を歓迎します。
■ 途絶えつつある技術伝承
現代では、ベテランからの技術継承は途絶えており、そのために登攀での事故が絶えない、という事情があります。
例えば、伸びきったリングボルトしかない場合に、どのようにして支点をとれば安全性がより高まるか?という知恵などです。
途絶えつつある技術を次世代へつないでいくことも、当会の目的の一つとします。
■ 本チャンへ至る道を用意します
本チャンというのは、大変汚い言葉で残念ですが、現在、山の世界で通用する言葉は、これしかないので、便宜上、使います。(女性の方には、すみません)
当会が平日に行くような外岩、通称ゲレンデは、”練習”という位置づけであり、アルパインクライミングにおいては、山岳エリアでのマルチピッチが、”本番”、試合みたいなもの、に値します。事例としては、前穂北尾根が適しているでしょう。
平素のゲレンデ練習において、マルチピッチへの憧れを温め、将来、ご自分でリードクライミングで登る山の準備をする。ゲレンデは、平素の練習、という位置づけです。
山は危険なところです。危険を認知していても、危険ですが、認知していなければ、さらに危険になってしまいます。
そのような山において、エアコンと地下鉄に飼いならされた現代人が、リスク感性を高めるには、”ゲレンデ練習での経験量の蓄積”が欠かせません。天候悪化、外気温、岩の状態、岩の質、自分の体調管理、岩場で学ぶべきことは多くあります。
当会は、ゲレンデ練習を主体としていますので、山岳地帯での本チャンに進みたい方は、当会で登攀技術を習得されると同時に、山岳会にも並行して入会されることをお勧めします。
夏山の気象、読図、ルートファインディング、生活技術、冬山、などの山の総合力を同時並行で磨かれる必要があります。当会では、その領域には踏み込みません。
しかしながら、平素の練習でスキルアップした場合に、すでに知識がある者同士で行く本チャンを否定するものではありませんので、当会でもマルチピッチ志向の方は歓迎します。
最初は、誰でも初心者ですので、あくまで、アプローチ至便、山の総合力が、ほとんど必要のない、近郊の小さな山でのマルチピッチが射程範囲となります。ご了承ください。
技術習得以前に一度、本チャンを経験してみたい方、経験してから岩登りをするかどうかを決めたい!という方には、経験豊富な登攀ガイドをご紹介いたします。
当会では、小粒でも技術内容は、本格的な山岳地帯での登攀で使うものと同じであることを志向していますので、日本の大きな山である、北ア、南ア、中ア、などへと、ぜひステップアップして行ってください。
日本国内にとどまらず、ヨセミテ、韓国、台湾などの世界の岩場、あるいは、標高の高いヒマラヤ、パキスタン、アラスカ、パタゴニアなどの岩場へとステップアップされていく土台を作ることができます。そのための、基礎練習、ゲレンデ練習、という位置づけです。
本格的なアルパインクライミングへ進むのために必要なスキルは、
・読図
・体力
・ルートファインディング
・支点構築
・ビレイ
・登攀
・積雪期の知識
・山の総合力
目安は、男性20代の方は、最低限が5.12が登れる登攀力と歩荷力40kg、甲斐駒などの標高差2200m程度の山が8時間程度(コースタイムの5~6割)で、登って降りてこれること、です。
その他の年齢層の方は、当人の志向によります。年齢をいっていても、トレーニングで体力や登攀力を高めれば、それだけ行ける山の選択肢が増えます。しかし、そこには意志が必要ですし、それ以外に時間や原資も必要です。
現実的なところで、どんなにトレーニングを積んだとしても、今ある力で登れる山に登る、ということになります。
山で死にたい人はいない、という前提に立つと、安全のマージンが必要だからです。
当会では、安全マージンを取らない、つまり”ギリギリの山”は、志向しておりません(というか、志向できません)ので、そのような山を志向される方には、適した会や仲間をご紹介いたします。
このうち、積雪期の登攀と山の総合力については、山岳会という仕組みに譲ることとし、それらを志向される方は、少なくとも、標高5000m~6000mの山の経験値がある会への入会をお勧めします。
現代の最先端の登攀は、スーパーアルパインクライミングと呼ばれ、この標高での積雪期のマルチピッチ登攀を意味するからです。
もちろん、このような大志を抱いていない方、健康のためにクライミングをしたい、単純にクライミングに興味がある、という方の参加も歓迎します。