「なぜビレイを習得しないとダメなのですか?」

と聞く人はいないと思いますが、いたと仮定しましょう。

ビレイを習得していないということは、命綱であるロープが命綱ではないということです。

つまり、クライマーは、命がけをしないといけないということです。

「私のいい加減なビレイに命を預けて登ってください!」とクライマーに面と向かってお願いできますか?

初心者さんの「連れて行ってください!」は同じ意味です。

ですから、正しくお願いするには、「連れて行っていただきたいので、まずはビレイを習得させてください!」というのが正しいです。

ビレイを習得済みの人は、たいていは、「ご一緒しましょう」と言うのが通例です。

■ ビレイを習得するにはどうしたらよいか?

では、ビレイを習得するにはどうしたらよいでしょうか?

その昔、このようなやり取りをしました。

A:○○さんへ
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私は入会直後に、ビレイができないと、岩に連れて行けないと言われ、ビレイの習得に、ひと夏捧げました。週2半年、と言われています。週1だと1年です。

落ちる人と登らないとビレイは上達しません。落ちるには人工壁へ行くしかない。人工壁で墜落を止める経験を積まないと、ビレイは上手にならないです。外岩では落ちることはめったにないので。私の前のパートナーは外岩でも、だいぶ落ちて、私は全部キャッチしています。

登攀のスキルの方は、後回しでもいいと思います。

何はなくともビレイが確実でないと、連れて行きたくても、どこへも連れて行けません。

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B:返事
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俺ってやっぱりアホでした。

落ちる人を止める、落ちる人と練習しないと上手くならない。
言われたら、当たり前だけど、やってませんでした。

〇〇さんも××さんも、落ちるトコ登りませんし、確かに。 実はビレイの練習に全くなってなかったのですね…。
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これは登攀歴5年目の人です。

まったくの初心者だったら、まずは人工壁に通い、墜落をキャッチする経験値を貯める必要があります。

週1で1年
週2で半年

が標準的です。それより頻度が低い場合は、計算してください。頻度が高いほど、比較的短時間でビレイヤーとして一人前になれます。

ご自身が自信がつくまでは頑張りましょう。

習得するまでは、トップロープでのビレイをお願いします。

基本的に、ビレイヤーは選ばれるものであり、クライマーがビレイヤーを選ぶものです。

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