見晴らし岩 中学生クライミング体験

■ 最初から、懸垂下降!最初から、エイトノット!

昨日は、友人の子どもたち、中学生男子3名とクライミング体験会をしていました。

よく考えたら、通谷律君も、まだ14歳なんですよね。彼は、今世界でトップクラスに入ろうとしているクライマーですが…。

子供のいない大人からすると、10歳も14歳も同じような感じで、おおざっぱに子供、ですが、子供のころは、10歳と14歳では同じ人間でも別人、でした…。そうだよなぁ。

今回は、男の子3人でしたが、私の方の成功体験が大きかったかもしれません。

なんと!どの子もちゃんとエイトノットが結べ、懸垂下降ができるようになった!!

やり方は、こうです。

質問:「登ったら、必ずしないといけないことは何ですか?」

子供たち: 「おしっこ~」「???」「降りること?」

登る前に、最初に少し時間を取って、登ったら、必ず降りることがついて回ることに自覚を持ってもらいます。

登っても降りれなかったら…お家に帰れない! そこを理解するのが大事なことです。

ところが、こーんな当たり前のこと、と大人は思いますが、実は大人の初心者クライマーだって、全然分かっていないで、みんな登れても、降り方知らないで、山にも、岩場にも来ますからね~。ああ、恥ずかしい。

私は山岳総合センターの”リーダークラス”の出身なのですから、そこは誇りをもって、

  登れるだけで降りれないクライマー、とか、

  登れるだけでビレイできないクライマー

とかは、作らない! 

いきなり5.9と10b
登れても降りれないなんて、登れないより、恥ずかしい…。そこを理解したら、OKみたい。

…とまぁ、やらせてみたら、男子3人は全員、上手に、懸垂下降できるようになりました!感動!!

14歳って、ちゃんと話せば、わかる年齢みたいです。

あと良かったことは、ハーネスが一個しかなかったので、逆に一人一人に丁寧な指導が結果として、できたことかなぁ…。

← いきなり難しいライン…

実は、ここは、5.9なので、初心者だと、多くの場合、登れないのですが…、壁の真ん中で、一番見栄えが良い、というだけで…みんなで取りつきました(笑)。


私の内心としては、

”ここは初心者は登れないよ~。でも、今日は、降りることの習得だからいいか~”

でした(笑)。ところが、なんと、登れちゃう子が出て、驚き!さすが14歳ですね~!予備パワーいっぱい。

その予備パワーを出してくれたのは、一人だけでしたが、それは徐々に、でいいです。

そのあと、5.6のもっと簡単なところにロープを張りました。ほかの子どもたちに登ってもらい、登れる感触を得てもらいたいと思って…。

でも、そっちは、もっと簡単なのに、他の子は登らなかったので…。5.9を登れた子も登れなくなって… すでにパンプアウトしてしまったのかもしれないですね。

最初に難しい課題を登らせるべきか、登れる実感を作るために易しい登れる課題を登らせるか?は難しいです。

なにしろ、全員同じ課題を登りたがります…でも、同じのを登ると、どうしても比べる心が出てしまうので…。

今回は、わざと比べる心を作らないために、グレードシステムは教えませんでした。

というわけで、目的の習得目標は達成した、子どもクライミング体験で、クラスの設計に自信を深めました。

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1)登れたら?の質問で軽くディスカッションを行う

2)あきらかに歩けるような場所で傾斜をつけて、ハーネスにぶら下がる感覚を覚えてもらう。

3)一人づつ懸垂支点に連れて行き、セルフビレイの大事さ、高いところの恐怖、を体験。

4)同時に、懸垂のセットを指導者がしてあげる。確実性のため。目的は降りれる体験で恐怖を克服してもらうことのため。使用ギアはグリグリ。

5)指導者が付き添いながら、一緒に懸垂下降で降りる。手を離しても止まることを納得してもらう。

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この方法は、一般的に、山岳会が初心者に教えてきた初心者への指導とは少し違います。懸垂のセットを教えることを目的にした、大人への教え方だと、

 ”恐怖心の解除”

が、最初に含まれていないので、挫折する人がとても多いです。パニックになって、ロープを支点に通さないで、下に投げそうになった人を知っています。また、恐怖心が解除できず、一回で挫折する人が一定数います。

今日は三人とも、それはなく

 おっかなビックリ、

でしたが、介助者も一緒に懸垂しながら、なので、上手に降りることができました。このやり方はお勧めです。

この後、普通にトップロープで登りましたが、ロープにぶら下がることが怖くて、降りれない子供は一人もいませんでした。良かった~。

クライミングの心理的要諦… 人生に役立つ知識は

 恐怖を知識や技能で乗り越える

ということです。

 ”高いところは怖いけれど、ロープと確実な技術があれば、だいじょうぶ”

と言うことを知る、ということです。

人生はすべてこれです。

資料: https://docs.google.com/presentation/d/18YVHnLuTWWlOnqgtec6ObiXBL1vDvO6gKUkCm6KBBEE/edit?usp=sharing

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